燃焼が安定しないコールマン226のメンテナンス事例

コールマン226

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上の写真はコールマン222の後継モデル、無鉛ガソリンも使用できるモデル226。

燃焼時に息継ぎをするということでショップでお預かりしました。

Unleadedモデルは自動車用ガソリンが使用できるシリーズですが、自動車用ガソリンに含まれる粘着性の添加物が、使用後しばらく放置すると悪さをすることがあります。

ショップへの修理依頼でも、フューエルチューブに自動車用ガソリンに含まれる粘着性の添加物が堆積して、燃料の通り道を塞いでしまっているケースが多くあります。

そうなると、パーツクリーナーに部品を漬け置きする程度ではフューエルチューブ内の異物の除去ができず、細いワイヤー等を使った機械的な洗浄が必要になります。

今回お預かりした個体は、オーナー様ご自身もフューエルチューブのパーツクリーナー漬け置き洗浄を行ったとのことで、下の写真のように外観は緑青等なく綺麗な状態でした。

フューエルチューブ

ポンピングするとエアーの出る音は聞こえるということでしたので、燃料を吸い上げるインナーチューブが詰まっている可能性が高いと推察できます。

下の写真はフューエルチューブのジェネレーターにつながる側ですが、反対側の燃料吸い込み口にライトを当ててやると、ライトの光がジェネレーター側から見えるかで、インナーチューブが詰まっているかがすぐにわかります。

フューエルチューブ

私の場合、外で作業をしている場合などは、空にかざしてインナーチューブの詰まりを見ることが多いです。

ただ、老眼のせいか、だんだんと小さな穴が見えづらくなってきています・・・。

今回お預かりした226のフューエルチューブは、かろうじてインナーチューブ内にライトの光が見える状態でしたが、本来の穴径ではなく内部に異物が堆積しているように見えます。

インナーチューブの機械的な洗浄には細いワイヤーを使用します。

当方の場合、各モデルのクリーニングに使うワイヤーを、下の写真のようにして手元に置いています。

クリーニングワイヤー

226のフューエルチューブの燃料吸い込み口の穴径は約0.2mmで、0.3mmのワイヤーだと太すぎて通りません。

ワイヤーを使ってインナーチューブのクリーニングをする際は、下の写真のようにジェネレーター側からワイヤーを挿入すると簡単です。

フューエルチューブのクリーニング

インナーチューブ内部に詰まりがあると、ワイヤーがスムーズに入っていかないこともあります。

その場合には、ワイヤーを一気に押し込むのではなく、少しずつチョンチョンとつつくようにして、ワイヤーがインナーチューブ内部で曲がらないように注意が必要です。

クリーニングワイヤーをインナーチューブ内部で破折させてしまうと、フューエルチューブの分解という大掛かりな作業が必要になります。

下の写真のように、フューエルチューブの燃料吸い込み口からクリーニングワイヤーがスムーズに出てくるようであれば、パーツクリーナーで内部を洗浄してクリーニングは完了です。

フューエルチューブのクリーニング

フューエルチューブの詰まりがランタンの不具合であれば、ほとんどがこうした洗浄で解決します。

当方のショップでは、仕上げに超音波洗浄を施工します。

下の写真のように、お預かりした状態よりかなり綺麗な状態になっているかと思います。

フューエルチューブ

今回お預かりした226は94年製なので、もう30年も前に製造された個体になります。

ピークワン系ランタンやストーブのメンテナンス時に、下の写真のように青いOリングが装着されていたら交換をおすすめします。

ピークワン系ランタンやストーブのOリング

純正品の素材はフロロシリコン(青)、もしくはViton(黒)ですが、一度も交換されていなければ劣化しているものと思います。

ピークワン系ランタンやストーブには共用部品も多く、例えばモデル505Bのバルブステムやエキセントリックブロックも一部共用となっています。

下の写真はモデル505Bのバルブステムとエキセントリックブロックですが、エキセントリックブロックはクリーニングニードル用フックがないですが、バルブステムはピークワン系ランタンと同じ部品です。

モデル505Bのバルブステムとエキセントリックブロック

モデル505Bのバルブステムやエキセントリックブロック用Oリングは、ピークワンランタン用のものが使用できます。

燃焼確認動画