上の写真は2008年製コールマンexponent 229ピークワンランタン。
燃焼が安定しないということでショップでお預かりしました。
ピークワンランタンもいつの間にかビンテージの仲間入りをしているようで、中古価格もずいぶんと高くなっています。
不具合の症状
お客様からお伝えいただいた症状は以下の通りです。
- 最初は元気よく燃焼する。
- 5分も経たずにちらつきが激しくなる。
- 燃焼音も不安定になったのちに極小になる。
- 点火後10分弱で非常に暗い状態になって安定する。
- 燃焼時、ずっと燃料を吸っている音はする。
お客様ご自身で行った作業は以下の通りです。
- 給油口ゴムパッキンの交換。
- ジェネレーター交換。
- チェックバルブ&エアステムの交換。
燃料の吸い上げに問題があるのではと推測して、バルブアッシーなど部品を買ってそのうちに直そうと思っている間に時が経ち、その間に部品も欠品になってしまったとのことでした。
お客様の見立ては合っていると思いました。
推察できる不具合の原因
しばらく使用していないピークワンランタンでもっともよく起こる不具合は、燃料バルブのフューエルチューブの詰まりです。
燃料に含まれる残留物が詰まったり、緑青が発生してガスの通り道を塞ぐことがあります。
また、そもそも工場出荷時に不良部品が装着されたり、組付け不良の個体も稀にあります。
人の手による大量生産されたものには、一定数の不良品が出るのは避けられないでしょう。
燃料バルブの状態

燃料バルブを取り外してみると、フューエルチューブにはやはりそれなりに不純物の付着がありました。
ただ、これが燃焼不具合の原因とは思えない程度でしたので、原因は他にありそうです。
まずはフューエルチューブを下の写真のようにきっちり洗浄しました。

バルブステム内部に異物

バルブステムからエキセントリックブロックを取り出してみると、バルブステム内部に何やら青いものが残っています。
オリジナルのフロロシリコン製パッキンが、バルブステム内部でちぎれたものと思われます。
バルブステム内部でちぎれたパッキンの残骸が、ガスの通り道を塞ぎ正常燃焼の妨げになっていた可能性が高そうです。
下の写真のように、ちぎれたパッキンの残骸を取り出します。

燃焼テスト
10分ほど連続運転をしてみましたが、特に問題なく正常動作をするようになりました。
バルブステムに装着されていたOリングがオイル切れを起こし、ちぎれてしまったのが燃焼不具合の原因だったものと考えられます。
オールドコールマンの不具合は、今回のように分解洗浄で直ることも多いです。
それでも直らなければご相談いただければと思います。
