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上の写真は独特な機能美に魅せられた愛好家の多い、コールマンの名機モデル502。
特に人気のパテペンデカール時代の個体です。
ポンピングして圧をかけ、燃料バルブを開くも「シュー」と音がするのみで点火しないという症状でショップでお預かりしました。
燃料バルブを開いて「シュー」と音がするのみで点火しないという症状は、しばらく使用していなかったランタンやストーブではよくあります。
それらの多くは燃料を吸い上げるフューエルチューブが不具合の原因であることが多く、部品の分解洗浄で直るケースがほとんどです。
フューエルチューブ内に発生した緑青や堆積物が、燃料もしくはエアーの通り道を塞ぐことは古いランタンやストーブでは珍しくありません。
ただ、当方の経験では下の写真のようにフューエルチューブに亀裂が生じていたり、二重管のインナーチューブが折損しているケースも一定数修理でお預かりしています。
今回お預かりした502のフューエルチューブを取り外してみると、下の写真のように予想通りフューエルチューブに緑青の発生が見られました。
特に注意をしてチェックしておきたいのが、下の写真にあるニードルです。
ニードル周りに発生した緑青は、吸い上げる燃料の流れを著しく阻害します。
モデル502ほか、200Aなど多くのモデルで点火時の燃料バルブ1/4オープンが採用されていますが、1/4オープン時とフルオープン時の明るさや火力が変わらないと感じるときは、このニードル周りの緑青の発生を疑ってみましょう。
ショップでお預かりした個体の中には、ニードル周りの緑青の除去だけで、不調が嘘のように直った200Aなどもありました。
フューエルチューブの緑青は、クエン酸液やパーツクリーナーに漬けこんだ後、スプレー式のパーツクリーナーで内部も洗浄します。
ニードルに生じた緑青はワイヤーブラシでこそぎ落とせばOKです。
下の写真のような状態に清掃して組み直します。
下の写真はフューエルチューブの分解洗浄後に撮影した燃焼時の状態です。
502本来の火力より、やや弱いと感じました。
今回お預かりした個体の場合、フューエルチューブの分解洗浄だけでは火力が上がらず、下の写真のようにジェネレーターの分解洗浄も施工しました。
ジェネレーターコイルやニードルに堆積したタールは、トーチバーナーで焼き切ってからパーツクリーナーやクエン酸液に漬け込むと除去しやすくなります。