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高校生の時分に登山をしていて、初めて手にしたガソリンストーブがホエーブス725でした。
本当はタンク容量の多い625が欲しかったのですが、予算の関係で少し安い725が登山の相棒になりました。
単独行が多かったので、結果的にはコンパクトな725を買って正解でした。
725とは以来40年以上の付き合いになります。
遮熱板をクリーニングしようとパーツクリーナーで溶かしてしまった以外、故障なく今でも現役で活躍しています。
ホエーブスは本当に壊れないですね。
ショップに修理でお問い合わせいただくホエーブスは、725より625のほうが多い感じです。
中には初めてのアウトドアストーブがホエーブスという方もおり、点火方法をご案内することもあります。
ホエーブスの点火方法については、色々なブログ、Youtube等で紹介されていると思います。
当ショップでは実機を商品として扱う関係上、点火時に発生する煤や熱によるタンク塗装へのダメージを抑えるため、プレヒートにはトーチバーナーを使用します。
実際のフィールドでは、タンクのくぼみにアルコールや使用燃料を使ったプレヒートになるかと思います。
ただ、ホエーブスの塗装は著しく弱いので、多くの個体のプレヒート用のくぼみ部分はボロボロになっているかと思います。
そのため、ショップではバーナー部をトーチバーナーで直接熱することでプレヒートをします。
ホエーブス625の点火手順
トーチバーナーを使ったプレヒートは、「そんな強い炎を直接当てたら素材が傷むのでは?」といったご指摘を受けたりもします。
しかし、1点集中で炎を当て続けない限り、真鍮製のバーナー部が溶けたり穴が開いたりすることはないです。
当方は40年以上このやり方をして個体をダメにしたことはありませんので、過度の心配は無用です。
タンクの加圧
ホエーブス625の取扱説明書には、点火時にポンピングが必要との記載はありません。
「点火当初の加圧は少なめに」となっています。
ホエーブスは625も725も自動加圧なので、基本的にポンピング不要のストーブです。
ただ、自動加圧されるまで時間がかかるため、タンク容量の大きい625には補助的にポンプが付いています。
ホエーブスのポンプはコールマン製品のような圧はかかりませんが、点火当初や気温の低い環境では燃焼の安定に効果があります。
ホエーブス625の取扱説明書には、「赤い炎が出るときは余熱からやり直して、5~10回ポンピング」との記載もあります。
なので、最初から10回ほどポンピングしておけばいいのではと、当方は40年以上そうしています。
625の10回程度のポンピングでは、たいして圧はかかりません。
おまじないみたいなものです。
プレヒート
トーチバーナーを使った625のプレヒートは、タンクから燃料が上がってくる部分、ちょうど燃料バルブあたりを温めます。
燃料バルブが温まると硬くて動かない燃料バルブも動くようになります。
バーナー部の両側から均等に温めてやるのがポイントです。
トーチバーナーを使った625のプレヒートは、灯油燃料の場合およそ1分、ホワイトの場合はおよそ30秒が当方の目安です。
気温によって多少の調整が必要になってきます。
1点注意したいのが、ハンドルの取り扱いです。
ハンドルの赤いプラスチック部品は意外と熱に弱く、油断すると簡単に溶けたり焦げます。
プラスチック部と棒部分が熱で分離してしまうこともあるので、ホエーブスのハンドルは必要時以外は外しておくのがポイントです。
点火
点火する前に燃料バルブを開き、生ガスが出ないことを必ず確認しましょう。
「シュー」という音が聞こえていれば、火だるまになることはありません。
もしも、「シュー」という音が聞こえず、燃料が液体のまま溢れてくるようであれば、燃料バルブを閉じ、冷えるのを待ってプレヒートからやり直しましょう。
点火後のポンピング
点火後、炎が弱いと感じたら追加でポンピングします。
燃焼するにつれ、タンク内が熱で自動加圧されていくので、追加ポンピングせずに待っていても徐々に燃焼が安定してきます。
点火後はハンドルのスチール部分もかなり熱くなりますので、追加ポンピング時等はやけどに注意する必要があります。
風防の装着
追加ポンピング後、または初期燃焼が安定したら風防を装着します。
風がなければ風防の装着は必要ありませんが、ホエーブスのバーナーは横風に弱い構造なので、弱い風でも「ボッボッ」と息継ぎをすることがあります。
トーチバーナーを使用しない本来のプレヒートをする場合には、風防の装着はプレヒートの効率が格段に上がります。
火力調整
ほとんど火力調整のできない725に比べ、625は強火から弱火までかなりの微調整が可能なストーブです。
とにかく燃焼音が静かなのがいいですね。
風防を装着していても燃焼が不安定な場合には、ニップルに溜まった煤が原因かもしれません。
ニップルの煤掃除は、燃料バルブを左に目いっぱい回すことで、クリーニングニードルがニップルに溜まった煤を外に押し出します。
燃料にホワイトガソリンを使う場合にはニップルの煤掃除はほとんど必要ありませんが、灯油を使用する場合には煤が溜まりやすいです。
消火
ホエーブスは625も725も燃料バルブを右に目いっぱい回せば消火できます。
ホエーブスを消火する前にぜひやっておきたいのが、ニップルのクリーニング。
消火する前に一度燃料バルブを左に目いっぱい回してから、右に目いっぱい回して消火します。
こうすることでニップルに溜まった煤をクリーニングニードルが押し出してから、ニップルが綺麗な状態で消火できます。
次回点火する際の無用なトラブルを避けるための簡単な方法なので、ぜひ実践してほしいと思います。
ホエーブス625の点火手順動画
【使用したトーチバーナーと燃料】
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