ホエーブス725と言えば、燃焼時の轟音が代名詞のストーブと言ってもいいでしょう。
私も高校生の時分から725を登山の相棒として、もう40年になります。
燃焼時の轟音は725の頼もしさでもありますが、目の前にいる人との会話もままならないのはちょっと困りものです。
ホエーブス725の静音化としては、625のバーナーキャップ流用が代表的な方法です。
ただ、625のバーナーキャップはオークション等でも出てこなくなりました。
下の725用サイレンサーはショップで販売しているものですが、製造元が大幅な値上げを行ったため、在庫限りで再入荷の予定はありません。
無加工で旧旧型~新型725に装着できる優れものなのですが、現実的な価格での提供が難しくなりました。
そんな折り、海外のアウトドアショップがホエーブス725用サイレンサーを作ったというので、さっそく仕入れてみました。
ホエーブス725用サイレンサーの外観
無加工で取り付けできると謳われていましたが、そこは海外スタンダード。
旧旧型~新型725に切削加工なしで装着できるサイレンサーはひとつもありませんでした。
商品のサイズを計測すると、625のバーナーキャップと径は同じですが、高さが低く作ってあります。
625のバーナーキャップを725に流用すると、バーナーキャップがゴトクより高くなってしまい、ゴトクの高さ調整が必要になります。
そういった意味では、625のバーナーキャップを流用するより楽に725の静音化が可能になります。
商品の問題点
上の写真はサイレンサーのインナーキャップです。
このままでは、725のバーナーヘッドには装着できません。
725ユーザーならおなじみの、バーナーヘッドの2ヶ所の突起に干渉するためです。
上の写真の赤丸で囲んだ2ヶ所の突起が、サイレンサー装着の障害になります。
625のバーナーキャップを流用する手順と同じですが、この突起を削るか、インナーキャップを加工するかが必要です。
個人的には貴重なオリジナルの状態を残したいと思いますので、私の場合はインナーキャップの切削加工一択です。
金属やすりを使って、現物合わせで下の写真のように切り欠きを作ります。
切り欠きは1ヶ所作れば、下の写真のように突起の下にインナーキャップを挿入できます。
続いてアウターキャップの加工です。
送られてきた状態では、インナーキャップと同じく無加工で装着できるものはひとつもありませんでした。
725のバーナーヘッドの2ヶ所の突起に合わせ、下の写真のようにアウターキャップに切り欠きを作ります。
625のバーナーキャップを流用する際に、725のバーナーヘッドの2ヶ所の突起を削る方もいます。
いずれの方法で加工しても、アウターキャップはバーナーヘッドに置くだけという感じになります。
「アウターキャップをバーナーヘッドに乗せるだけで大丈夫?」と思う方もいるかもしれませんが、ガスの噴出圧力でアウターキャップが飛んでいくようなことはありません。
ショップから出荷する際は725の新型に現物合わせで、下の写真のようにぴったりフィットするように加工しています。
もしも、サイレンサーが浮いたような状態になる場合には、切り欠き部を金属やすり等で少し深くしてみてください。
725の旧型と新型については、ポン付けできるかと思います。
ホエーブス725旧旧型への適合
手持ちの2台のホエーブス725旧旧型へサイレンサーの装着をしてみましたが、いずれもやはり無加工では装着できませんでした。
725旧旧型のバーナーヘッドは、旧型と新型よりわずかにサイズが小さい作りになっています。
そのため、725の旧型と新型用にフィッティングしたサイレンサーも、旧旧型725にはジャストフィットというわけにはいきませんでした。
手持ちの2台の725旧旧型にこのサイレンサーを装着すべく、アウターキャップとインナーキャップの外径を金属やすりで切削することにしました。
725のバーナーヘッドは鋳型成形なので、1台1台サイズには微妙な個体差があります。
やり直しがきかない切削加工は、現物合わせで少しずつ慎重に行う必要があります。
旧旧型725の手持ちの1台には、アウターキャップとインナーキャップの外径をともに0.5mm小さくすることで、いい感じに装着することができました。
上の写真のように、外径を削ったサイレンサーを取り付けた旧旧型725のアウターキャップは、突起の脱落防止も機能し、625のように回転させることもできるようになりました。
ただ、手持ちのもう1台の旧旧型725にはまだ外径が大きすぎるようで、もう少し切削する必要があるようです。
まとめ
ショップからお送りするサイレンサーは、ホエーブス725旧型と新型には無加工で取り付けできる加工をしてあります。
アウターキャップは装着時に回転できない仕様です。
また、ジャストフィットさせるには、金属やすり等でのわずかな加工が必要になる可能性があります。
ホエーブス725旧旧型への取り付けについては、個体によってアウターキャップとインナーキャップの外径切削加工(0.5mm前後)が必要になる可能性があります。