コールマンジェネレータージャムナットの締め付けトルク

ジェネレーターのジャムナット

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Usedランタンやストーブを入手すると、ジェネレーターのジャムナットがガチガチにきつく締め付けられた個体に出会うことがあります。

これ以上回すと壊れてしまうのではと思うようなものもありますが、燃料漏れを懸念して前オーナーが目いっぱい締め付けたということでしょう。

コールマンのメンテナンス情報を検索しても、ジェネレータージャムナットの適正締め付けトルクなるものは見つかりません。

適度な強さで締め付けることが推奨されているのみです。

このページでは、ジェネレータージャムナットの適正締め付けトルクを検証しています。

取付部のガス漏れを防ぐしくみ

ジェネレーターのジャムナット

コールマンのジェネレーターは、ステムとの接合部分が下の写真のようにフレア加工されており、ラッパ状のこの部分がステムとジャムナットに挟まれることにより潰れ、パッキンの役目を果たします。

ジェネレーターのラッパ部分

ジェネレーターの素材は金属としては柔らかい真鍮のため、ジャムナットを締めつけるとステムとジャムナットの形状に合わせて、フレア部分が適度につぶれるしくみです。

なので、締め付けを何度も繰り返すとフレア部分の真鍮素材が完全に潰れ切ってしまい、いずれはパッキンの役目を果たせなくなります。

ジャムナットをいくら締め付けてもジェネレーター取り付け部からの燃料漏れが止まらない場合には、フレア部分にもう潰れる余地がない可能性を疑ってみましょう。

ゆえに、ジェネレーターは消耗部品と言われるわけです。

ジェネレータージャムナットの取り扱い

ジェネレータージャムナット

ジャムナットを締めつけたり緩めたりする場合、上の写真のようにレンチ1本でやっていませんか?

そのやり方だと燃料バルブ等ステムも供回りしてしまう可能性があり、ジャムナット単体を回す適切な方法とは言えません。

ジェネレーターの脱着の際、ジャムナット単体を回すのであれば、下の写真のように2本のレンチを使う必要があります。

ジャムナットの回し方
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1本はステムにかけ供回りをおさえ、もう1本でジャムナットを回します。

こうするとステムが供回りすることなく、ジャムナット単体に必要なトルクをかけることができます。

ジャムナット締め付けの適正トルクとは?

ジャムナットの締め付け

ジャムナットの締め付けを何度も繰り返すと、やがてジェネレーターのフレア部分が完全に潰れて寿命を迎えるのは上述の通りです。

では、ジェネレーターのフレア部分の寿命を最大限伸ばすには、どうすればいいのでしょうか。

これはコールマン2レバータイプのジェネレーターのグラファイトパッキンと同じで、ジャムナットの締め付けを必要最低限にとどめることです。

緩すぎず締め付けすぎず、つまり「ジャムナットの締め付けは燃料が漏れない位置」が適正トルクになります。

ただ、これを毎回行うのは現実的ではない面もあり、ある程度の目安があれば無用のトラブルも減るのではないでしょうか。

そこで、およそのジャムナットの適正締め付けトルクを探ってみることにします。

ジャムナット締め付け用トルクレンチ

デジタルトルクレンチ

トルクレンチには直読式やプレセット式などがあり、測定範囲から用途に合ったものを選ぶとメンテナンスの精度も上がるでしょう。

ランタンやストーブの整備に使うのであれば、0.3~10Nm程度の測定範囲があれば実用的かと思います。

ジェネレータージャムナットにトルクレンチを使用する際、通常のソケットレンチビットが使用できないので、下の写真のようにクロウフットレンチの角度が90°になるようにして使います。

クロウフットレンチ

クロウフットレンチは、狭い場所や通常のソケットレンチビットが使用できない環境、今回のように横からしかレンチが使えない場合に重宝します。

下の写真のように、手持ちのトルクレンチと差込角が異なる場合には変換ソケットを使用します。

クロウフットレンチ
クロウフットレンチ

ジャムナット締め付けトルクの検証

トルクレンチ

ジェネレータージャムナットの締め付けは、私もですが経験と勘に頼った方法を実践している方がほとんどではないかと思います。

緩すぎず、きつすぎずといった締め付けは、ある程度メンテナンスの経験を積めば可能になるとは思います。

理想としては、それをきっちりと数値化することですが、部品ひとつひとつの表面の傷やオイルの付着等、測定値に影響を及ぼす条件もあり、今回の検証がすべての個体には当てはまらないことを前提に読み進めてみてほしいと思います。

ジェネレーター取り付け部の気密性を確かめるためには、ガス漏れ検知剤を使うと燃焼させなくても確認が可能です。

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締め付けトルク1.5N・m

締め付けトルク1.5N・m

締め付けトルク1.5N・mでジャムナットを締めつけてみます。

ジャムナット周辺にガス漏れ検知剤を吹きます。

ガス漏れ検知剤

上の写真、ジャムナットの下から泡が出ているのがわかるでしょうか。

締め付けトルク1.5N・mでは弱いということになります。

締め付けトルク2.0N・m

締め付けトルク2.0N・m

締め付けトルク2.0N・mでジャムナットを締めつけてみます。

ガス漏れ検知剤を吹いて、泡が止まるか見てみます。

ガス漏れ

ジャムナットの下から、まだ小さな気泡が出てきますので、締め付けトルク2.0N・mでも弱いということになります。

締め付けトルク2.5N・m

締め付けトルク2.5N・m

締め付けトルク2.5N・mでジャムナットを締めつけてみます。

ガス漏れ検知剤を吹いてみます。

ガス漏れ確認

1.5N・m、2.0N・mの締め付けトルクでは止まらなかった気泡が、2.5N・mで止まりました。

トルク2.5N・mで締め付けたジャムナットが、どれくらいのトルクで緩むのかも、下の写真のようにトルクレンチで確認しておきます。

トルクレンチ

トルク2.5N・mで締め付けたジャムナットを外す際には、下の写真のように約2.25N・mのトルクが必要でした。

トルクレンチ

トルク2.5N・mで締め付けたジャムナットを、いつもの感覚で増し締めしてみましたが、増し締めが必要な締まり具合ではなく、いい塩梅で締め付けられていると感じました。

まとめ

ジェネレーターのフレア部分の厚さや、部品の表面の状態によっても適正なジャムナットの締め付けトルクは変わってくると思います。

ただ、締め付け過ぎは百害あって一利なしですので、何を目安に締め付ければいいのか不安であれば、今回の検証が参考になるかと思います。