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上の写真はカナダの専門ショップでフルレストアされた、1952年製コールマン500カナダモデル。
タンクのクロームメッキが綺麗に残り、バーナーまわりも再塗装され、そのまま使用できるかと思われる状態。
しかし、納品前の点火テストをする際、どうも加圧しきれない感触がありました。
チェックバルブあたりが怪しいかと、新品に交換しても症状は改善されず・・・。
タンクのエアリーク部を特定する
綺麗に仕上がっている個体なのでバラすのは気が進まなかったのですが、燃料バルブやフィードチューブ等をひと通り分解洗浄。
きっちりシールして組み上げても、圧が少しずつ抜けていきます。
部品に問題がないとすれば、疑うべきは燃料タンクのクラックやピンホールでしょう。
オールドコールマンの燃料タンクにクラックやピンホールが生じることはよくあります。
小さなものだと目視で確認するのが困難なこともあり、タンクを水に沈めたり、石鹸水をかけたりと、色々な工夫をしないと発見できないことが多いです。
私はすぐに使えるスプレー式のガス漏れ検知剤を愛用しています。
燃料タンクの溶接部分やロウ付け部分、つなぎ目など怪しい箇所にガス漏れ検知剤を吹いてやると、下の写真のようにリーク部がブクブクと泡立つので一発で特定できます。


コールマン500燃料タンクのエア漏れ動画
燃料タンクのエア漏れ修理方法
今回のエア漏れ箇所は、組み上げるとカラーの内側に隠れる部分。
また、さほど高温にさらされる箇所ではないので、いくつかの修理方法が考えられます。
ロウ付け
エアリークを塞ぐにはもっとも確実な修理方法ですが、バーナーを使うのでカラーの外側のメッキへの影響が懸念されます。
はんだ付け
ロウ付けの次にエアリークを塞ぐに確実な修理方法ですが、クロームメッキにはんだが乗らないため、はんだ付けする個所のメッキをはがす必要があります。
また、基板用ではなく、板金はんだと板金用フラックスを使う必要があります。
タンク内部コーティング
ワコーズタンクライナー、POR-15といったシーラーを使ってタンク内部をコーティングするのも有効な修理方法です。
ただし、薬剤がいい値段するのと、乾燥など結構な手間がかかります。
ショップでは、ワコーズタンクライナーを使用してコールマン500燃料タンクのクラックを修理したことがあります。
耐熱ボンド
近年では耐熱ボンドの性能も上がり、私も修理箇所によってはJ-B オートウエルドを使います。
J-B オートウエルドは約300°Cの耐熱性があるので、今回の修理にも使用可能かと思います。
はんだ付けでの修理事例

今回は上の写真のように板金はんだを使ってエア漏れを修理しました。
カラーの内側に隠れる部分なので、表面研磨なしで終了です。
すべての燃料タンクのエア漏れを修理できるわけではありませんが、お困りであればご相談いただければと思います。