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上の写真はショップでお預かりしたコールマン400。
ビンテージコールマンの中でも人気の高いストーブです。
外観も極上の部類に入るかという、とても状態の良い個体に見えます。
火力がMAXのまま調節ができなくなったということで、修理のご依頼をいただきました。
コールマン400の火力調整のしくみ
いわゆるピークワン2レバーストーブの火力調整は、エキセントリックブロックに装着されたニードルが、ジェネレーター先端部品のガスティップから吐出される混合気の量を変えるしくみになっています。
そのため、ピークワン2レバーストーブの故障事例で圧倒的に多い黒レバーの折損、またはニードルの折損が起こると、火力調整ができなくなります。
今回修理をご依頼いただいた個体も、火力がMAXのまま調節ができなくなったということなので、黒レバーの折損、またはニードルの折損が不具合の原因と推察できます。
ニードルの状態
エキセントリックブロックに装着されたニードルの状態は、ガスティップを外すことで簡単に確認できます。
しかし、修理のため取り出すとなると黒レバーの引き抜きが必要になるため、折損のリスクがあり作業の難易度が上がります。
今回の個体の黒レバーは、ジェネレーター自体の状態がよかったのか、黒レバーを折損させることなく引き抜くことができました。
ただ、ニードルは下の写真のように、3mmほどを残し折損していました。
ニードルの再生
エキセントリックブロックに埋め込まれたニードルを再生するには、上の写真のように古いニードルを引き抜き、代替品を再度埋め込みます。
古いニードルが短すぎて引き抜くことができないケースの修理方法は、以下の記事でご紹介しています。
埋め込むニードルの太さ、長さは燃焼に直接影響します。
特に、弱火についてはニードル先端部のテーパー具合の微調整が必要でしょう。
ニードルの素材については、純正は鉄が使用されていますが、ショップでは下の写真のように0.3mm、もしくは0.35mmの昆虫針を実機に合わせて使用しています。
長さについても実機で原寸合わせが理想ですが、新品部品を計測したメモが以下の図になります。
今回の修理では、下の写真のように埋め込み基部から6mmの突き出しとしました。
燃焼確認
オリジナルと遜色ない動作をするようになったかと思います。
すべてのジェネレーターが再生可能なわけではありませんが、高価な新品ジェネレーターへの交換前に修理を試してみる価値はあるかと思います。